「つげ義春「無能の人」考」、に出会った古書店「虔十書林」猫の看板が目印です。

古書を巡る

こんにちは。Tamooo(@tamoookakukaku)です。

本の街、神保町の「すずらんどおり」にある、「虔十書林」様へ行ってまいりました。

虔十書林様はX(旧:Twitter)でも活発に発信されており、外観・内観は古書店ならではの落ち着いた雰囲気もあることは去ることながら、元気でユーモラスなイメージも同時に感じられます。

というのも、店頭には黄色い可愛らしい猫の看板があり、目が合うとなんとなくその視線に吸い込まれるように、本屋さんの書棚も覗いてみようかなという気になってしまうのです。

ところで、猫が出てくる作品は多く、漱石の「吾輩は猫である」や画家熊谷守一さんの猫の絵、漫画家水木しげるさんの漫画作品、ジブリ作品にもよく猫が登場しますが、文藝作品は犬というより「猫」との相性がよいというのが、私の思い込みかもしれませんが、色んな作品を通して常々感じているところです。よく芥川龍之介さんや三島由紀夫さんなど作家さんの写真で猫を抱いているのを見かけるのもそのイメージをより抱く理由かもしれません。

猫という動物が作家と似ているかどうかはわかりませんが、一匹一匹色んな性格があり、まるで人間のような仕草をとると聞いたことがあります。ともすれば、作家は一人一人運命を背負わされたあらゆる性格の人物を物語にのせて描くという点において、猫のような振る舞いや生活態度をとること、暮らしていくことが作家としてやっていくには必要なのではなんて思ったりするのです。

そして、つげ義春さんもまた、極めて稀有な漫画家さんであるということを本日はご紹介したいなと思います(猫は関係ございません…)

つげ義春「無能の人」考

つげ義春さんを私が知ったのは、漫画家水木しげるさんのアシスタントをしていたというのが始まりです。「ねじ式」をはじめなんとも形容しがたい作品たちばかりです。普通の本屋さんにももちろんつげ先生の漫画や紀行本などおいていたりしますが、古書店にもさらにマニアックなつげ義春さんの本がおいていたりします。

今回、「虔十書林」様で購入したのは「つげ義春「無能の人」考」という本です。著者は正津勉さんです。たくさんの作品について解読、解説されています。どうやらこの本は後編らしく雑誌「ガロ」以後の作家活動について書かれており、前編はなかったため、また本屋さんで偶然出会ったらぜひ読んでみたいです。

さて、どのような作品たちについて取り上げられているかと言えば、少し写真ではみにくいかもしれませんが、本の帯にもあります「石を売る」「無能の人」「蒸発」などです。

また、背表紙には「最底辺からの視線」という言葉が副題としてあります。なかなかエッジの効いたというか、エポックメイキングな作家であるが故にか、大変興味をそそられます。こいった本に出くわすことがあるのもふっと目に留まった古書店ならではの偶然性や足を運ぶことの喜びです。

本は、猫ちゃんの袋に入れてもらえます。

古書を購入すると、可愛らしい猫ちゃんの袋がもらえます。なんだか温かみがあってとっても穏やかな気持ちになります。また立ち寄りたくなりますね。

まとめ。「虔十書林」で。

つげ義春さんについては、また別で記事を書きたいなと、この記事を書いていて思いました。雑誌「ガロ」のことや、マニアックな作品まで。つげ義春さんの漫画を読むとふわっと脱力できるというか、どこか老荘的で、世の無情さとか自分の小ささとか、この世界の大きさとか色んなことを考えさせられます。それはどこかきっと猫的で、そんな生き方を探しているのかもしれませんね。

神保町「虔十書林」の書店情報。

店名虔十書林
ジャンル文学、美術、芸術、映画関連など
住所千代田区神田神保町1-15 清田ビル1F
営業時間営業時間:12:00〜19:00
休日:日
URLhttps://twitter.com/kenjumichiko1

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